ハイスペック発達障害への道

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辞職が決まったことについて

 昨日Twitterでツイートしたように、上司と相談した結果、一応の退職日が決まった(5/31付の予定)。そこで色々なやり取りがあったのだけれども、その内容が私にとっては印象的だったので、ここに書き残させていただこうと思う(個人特定を避けるためフェイクを混ぜている)。

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 まず、前段階として、先週某日に私の方から相談を持ちかけたというところから話は始まる。数年間働いているにもかかわらず更新のたびに給料が上がるということはなく据え置きのままの状態が続いているのはどういうことなのか、あるいは仕事内容が変わらずそのままなのはどうしてなのか、といったことだった。当然のことながら、このままでは自分自身を養えなくなることは目に見えているし、訳あって家族にも少しは仕送ってやりたいという気持ちがあったのだが、現在の最低賃金スレスレの給料ではどうにもならない(ちなみに岡山の現時点での最低賃金は時給781円で、それに準ずるものと考えていただければ幸いである)。相談に乗ってくださった上司は、なんとか偉い方に持ちかけてみる、と返答をしたのみで、退職の話題も少しは出たのだが、とりあえず上層部からの返答を待つことになった。

 そして、昨日のことである。結論から言ってしまえば、会社としては今の時給が精一杯で、仕事の内容についても変更する予定はないということだった。私は今障害者であることを知らせた状態で就職しているのだが(俗に「オープン」と呼ばれている)、この状況では待遇改善する機運は残念ながら見られない、というのが正直な感想だ。どうにかして、いかに辞めさせることなく、安く働かせ続けるか。そこが焦点となっていたようである。これは私が働いている会社だけに限った話ではなく、世の中全ての企業がそういうものなのだから、仕方がないんだそうだ。

 私は平静を装いつつ、上司から持ち出された結論を受け入れようとしていた。それでも、我が社のことが少々可哀想になってきたのは事実だ。おそらく世間体のことを気にしすぎていているのだろう。「障害者でも戦力にする」とか「健常者だろうが障害者だろうが業務は関係ない」とかいうようなスタイルに踏み込めていない。少子高齢化で人材不足が今よりも叫ばれるであろうこれからの時代、いかにしてこのようなスタイルに持ってゆくかがすごく大切であるような気はするのだが、当社はまだそこまで気にしてはいないらしい。法定雇用率達成のために仕方なく雇っているという印象を強くした。

 ただ、それでも上司は私のことをすごく心配してくださった。このままの条件でやっていけるはずがない、ということを薄々感じていらしたのだろう。今後のことについても、どのような会社に就職するか、どういう道があるのかなど、しきりに聞いてきた。本当に私と向き合ってくださっているからこそ、こういうことが言えているのではないだろうか。良い上司に恵まれたと改めて思う。それだけに、金銭的部分の理由で離れなければならないというのは、私にとっても非常に辛いものがある。発達障害というのは障害者の中でも特に健常者との区別がつきにくい分、差別されやすい立場にあるのだが、少なくとも上司がそういうことをしてくる人ではなかったことは救いだ。

 とは言え、当社に限った話ではないが、発達障害に限らず、障害者の方々を最低賃金スレスレで雇うというのは、よほど裕福な家庭でもない限りは就労の継続が困難なのではないかと思う。しかも、私の場合、名刺も作らせてもらえず、ろくに備品も与えてくれず、机も狭いところにさせる、というような条件であったため、「合法的差別」を受けていた形になる。私は不満をあまり口にしない人間だからあえて問題にはしなかったが、人によっては我慢ならず、一ヶ月もしないうちに退職するところだったろう。例の上司がそこまで勘案してくださったのかどうかは分からないけれども、こういったことを自然なものだと思っていたのだとしたら、それこそ上司のことも可哀想に思えてくる。

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 いずれにせよ、この日にあったことは、おそらく私にとっては一生忘れないことになるのではないかと思う。特に上司から受けた恩は、短い間だったとは言え、多大なものだ。障害者に対する風当たりが依然として強い中、今回のように色々と相談に乗ってくださったのは、本当に嬉しい限りだ。良い上司に恵まれたと胸を張って言えるし、今まで勤務を続けてこられたのもその方のおかげだとも言える。それだけに、会社を離れなければならないというのは、本当に辛いことこの上ない。できることなら会社は存続してもらいたいのだが、このような姿勢を貫き通そうとなれば、おそらく人材不足が慢性化してしまい、長くは続かないのではないのかな、と思う。